魚の睡眠と眠り方

魚の睡眠・眠り方


魚の睡眠と眠り方
人を含め、イヌやネコをはじめとする様々な動物は夜になると眠りにつきますが、魚はいつも泳いでいるようで、一体いつ眠るのかという素朴な疑問が浮かびます。

釣りなどをしていても、夜にもいろいろな魚が釣れたりするので、もしかすると魚は睡眠しないのかと思われるときさえあります。
しかし、魚も他の動物と同じように眠ります。

ほとんどの魚には瞼がないので、眠りについているのか起きているのか、はっきりと分かりませんが、眠り方は様々で、岩陰や海草の間で眠ったり、水中でじっとして睡眠をとっているようです。

また、人のように夜になると眠るものもいますし、逆に昼間に睡眠をとる魚もいます。


いろいろな眠り方
▲夜には砂に潜って眠るキュウセン

魚も睡眠をとりますが、種類や生息環境などによって眠り方も随分違っています。
また、睡眠をとる時間帯も様々で、夜間に眠るものもいれば昼間に眠るものもいますし、餌を獲る間に眠るものもいます。

海底の砂底などに生息しているキュウセンなどのベラの仲間は、夜になると体を横にして砂の中にもぐって眠り、朝早くに目を覚まして泳ぎだします。
コチやハオコゼキスなども、夜になると砂の中でよく眠っています。
ドジョウなども、夕方になると泥の上でじっとしてよく眠りますし、川の水がなくなったりすると泥の中にもぐりこんで睡眠をとるようです。

変わった眠り方をするものもいて、カワハギアミメハギなどは、夜になると海草に口をつけて、ぶら下がるような眠り方をしていますし、岩礁域に生息しているブダイなどは、夜になると体から粘液を出して体を包み込み、じっとして眠っていることが知られています。

サンゴ礁に生息しているクマノミなども、共生しているイソギンチャクの触手の中で眠りますし、チョウチョウウオの仲間やアイゴの仲間などは、夜眠っているときは色が褪せたように体色が変化して眠っています。

また、昼間に睡眠をとる魚も、ウナギナマズアナゴカレイなどたくさんいて、昼間に砂にもぐって眠ります。

回遊魚であるマグロやカツオ、イワシの仲間などは、酸素を取り入れる為に決して泳ぎを止めることはありませんが、時々泳ぐ速度を落として、泳ぎながら眠っているようです。

これらの他にも、泳ぎ疲れたときなどは体を横にして眠るものも少なくはなく、フナなども浮かんだままで睡眠をとるという眠り方をしています。
マダイイシダイなども、夜になるとじっとして(ボーッとして?)眠っています。


魚の瞼
陸上動物には瞼がありますが、水中生活をしている魚では、眼が乾いたりすることがないので、ほとんどの魚には瞼がありません。

その為に、魚が眠っているのかいないのかがよく分からないのですが、サメやエイ仲間やマンボウフグの仲間やムツゴロウやトビハゼの仲間などには瞼があるようです。

しかし、瞼と言っても人のように瞬きできるようなものではありません。
フグの仲間では眼に油瞼という膜があって、ゆっくりと閉じたり開いたりすることが出来ますが、正確には瞼とは違っていて、人のように瞬きできません。
ダルマオコゼの仲間にも瞼に似たようなものを持っていると言われていますが、これも眼の周りの皮膚を下瞼のように持ち上げることが出来る程度のもので、人の瞼などとは違っています。

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